●カートスーツと4輪用スーツの違いは?
見た目はほとんど代わらないモデルが多いのですが、カート用スーツと4輪用スーツには明確に規則の違いがあります。
それはカート用スーツには「難燃性」という項目がなく「摩耗強度」「引き裂き強度」などの試験項目があります。レーシングカートの場合、アクシデント時には難燃性より摩耗の方が重視されているのです。以前カートスーツと言えば「皮つなぎだった」ことからも伺えます。
4輪用レーシングスーツの場合は「難燃性」が重視されており、FIA公認スーツの場合、これらの試験結果の提出が必要です。レイヤー数は2レイヤーでも3レイヤーでも関係なく「燃えにくい性能」が確保されていればokです。生地が少なく燃えにくい性能を確保しなければならない為、(イメージとは違い)3レイヤーより2レイヤーの方が高価になる場合が多いです。
●4輪用レーシングスーツはカートに使えないのか?
公式レースには使えません。(スーツにJAFもしくはCIK公認タグが付いて使用期限内であれば公式カートレースに仕様できます。)
ではカートの練習走行やレンタルカートなどに使えるか?
4輪用レーシングスーツにはノーメックス(アラミド繊維)が使われていることが多いですが、このアラミド繊維はとても強度が高い繊維なのでカートスーツに求められている「摩耗強度」は軽々クリアできます。しかし繊維が非常に高額で、しかも紫外線に弱いため「レーシングカートスーツに使用するのは勿体無い」のであまり使われていません。やはりカート走行時は専用レーシングカートスーツを着用して、走行毎に洗濯するのが(経済的に)よろしいかと思います。
※実際、それぞれの公認を取るためには様々な細かい規則がありますが一番大きな違いは「燃えるか」「燃えないか」ということです。どちらも「摩耗強度」は高いです。