ここではモータースポーツを楽しんでいる方はもちろん、興味があって始めてみたい方や
久しぶりに復帰したい方へ、モータースポーツにまつわる耳寄りなトピックスをご紹介いたします。
前回の【レースデビューへの道】⑤自動車競技紹介では、ジムカーナについてご紹介しました。
今回は数ある自動車競技の中から「ダートトライアル」にスポットを当ててご紹介いたします。
未舗装のコースでおこなうジムカーナ!?
ダートトライアル競技は、未舗装路面に指定されたコース走行するタイムトライアル競技で、全国各地にあるJAF公認コース(ダートトライアルコース)で開催されています。
競技の内容は、基本的にはジムカーナと同様で、主催者が指定したコースを1台ずつ走行してベストタイム獲得を目指します。通常は1周2分程度のコースを2回走行し、どちらか速い方、または合計タイムの少ない順に成績が上位となります。
ダートトライアルは、かつてラリー開催が困難になった時期に、ラリーから派生する形で広まったと言われています。また、路面が未舗装であることを除けば、ルールはジムカーナとほぼ共通なので、黎明期は「ダート・ジムカーナ」とも呼ばれていました。
当初は河川敷などの未舗装の広場でおこなわれましたが、専用のダートコースが全国に誕生してからは、観戦するスポーツとしても人気を博し、1980年代には盛んにテレビ放映もおこなわれました。ラリー出身の選手も多くいましたが、1990年代にはダートトライアルだけを戦う選手も増えていき、ルールやカテゴリーの変遷を経ながら現在に至っています。
砂塵を巻き上げる迫力の走り
未舗装路面をドリフト走行で駆け抜けるダートトライアルは、サーキットレースや舗装のモータースポーツと比べて、かなり激しいアクションに感動を覚えることでしょう。ですが、コックピットのドライバーは意外と繊細な操作をしていて、専用のダートタイヤや強化したサスペンションを通じて路面のグリップをシビアに感じ取り、車体をスライドさせながらも、確かなタイヤグリップを得られる路面を求めながらマシンを前に進めています。
ダートトライアルを経験したことがあるレーシングドライバーに言わせれば「ヘビーウェットのサーキットに比べれば、かなりグリップする」といった話も聞かれます。ダート専用タイヤも日々進化しているので、ダート走行のテクニックや理論については、サーキットを始めとした舗装の競技にも共通するスキルが求められます。そんな、見た目の走りと運転操作にギャップがあることもダートトライアルの魅力の一つです。
また、北海道などでは雪上路面や湖などの氷上路面でタイムトライアル競技がおこなわれることもあり、その多くはJAF公認のダートトライアル競技として開催されています。
トップドライバーの走りを体験しよう
JAF公認のダートトライアル競技会に出場するためには、国内Bライセンスを取得する必要があります。全国各地でおこなわれているBライセンス講習会を受講するだけで、申請する資格を得られます。また、JAF公認の競技会の中には、オーガナイザーであるJAF登録クラブ・団体に所属するメンバーだけが出場できる、クローズド格式の競技会もあります。この競技会には国内Bライセンスがなくても出場できるので、ダートトライアルを体験してみたい人は、こうした機会を利用することも一つの方法です。
ダートを走りたいと思っても、車両製作の時点で挫折する人も多いと思います。それでも、まずは体験してみたいという人には、モータースポーツショップやダートトライアルコースが主催する練習会や走行会に訪れて、上級者に同乗走行を体験させてもらうという方法もあります。もちろん、参加者や主催者に直接交渉する必要があります。また、初心者向けの競技会やイベントには、レンタル車を用意している場合もあるので、モータースポーツショップやダートトライアルコースが発信するイベント情報をチェックしてみましょう。
ダート走行には高度な安全装備が必須
ダートトライアル出場には、安全装備を施した専用車両を用意する必要があります。ロールケージの装着は必須で、車体下部を保護するアンダーガードや、不整地の急な突き上げにも耐えるサスペンション、滑りやすい路面でも掻き進めてくれるダート専用タイヤなど、ダート走行に特化した専用装備がたくさん市販され、レベルに応じて装着されています。
参考資料:JAF MOTOR SPORTS JAF / ダートトライアル
レーシングスーツやシューズ・グローブなどはもちろん、ヘルメットやFHR(頭頚部保護)デバイスなどレースに必要な安全装備はレアーズダイレクトにてご購入いただけます。
今回は自動車競技の「ダートトライアル」についてご紹介しました。
JAFのホームページでは各競技会スケジュールの検索ができます。(JAF競技会スケジュール検索)
「開催地域」「競技種目」などで検索ができるので、ご自身の希望にあった競技会を探してみてはいかがでしょうか。