ここではモータースポーツを楽しんでいる方はもちろん、興味があって始めてみたい方や
久しぶりに復帰したい方へ、モータースポーツにまつわる耳寄りなトピックスをご紹介いたします。
前回の【レースデビューへの道】④自動車競技紹介では、レースについてご紹介しました。
今回は数ある自動車競技の中から「ラリー」にスポットを当ててご紹介いたします。
ラリーは公道を走るモータースポーツ
未舗装路やスノー路面など、待ち構える幾多の難関を突破してゴールに向かうモータースポーツ、それがラリーです。主催者が指定したルートで運転の正確性や走行タイムを競うカテゴリーで、あらゆる地域の様々な条件下にさらされた路面を相手に、山岳路や、ときには一部を閉鎖した市街地を走ることもあります。
ラリーには、FIAフォーミュラ1世界選手権(F1)のように世界選手権のタイトルがかけられていて、FIA世界ラリー選手権(WRC)が世界最高峰のラリー競技会としておこなわれています。WRCのような大規模なラリーは、3日程度の日程で20に及ぶステージを走行して勝敗を決め、総走行距離は1000~1500kmにも及びます。
また、ラリー競技には、ダカール・ラリーに代表されるラリーレイド、クロスカントリーラリーもあり、競技日程や走行距離が長く、より過酷な道を走破する内容となっています。
スペシャルステージラリーとアベレージラリーについて
ラリーは順位決定の主要素によって競技方法が異なり、大別して速さを重視するラリーと、走行の正確さを重視するラリーに分けられます。日本自動車連盟 (JAF) の国内ラリー競技開催規定では前者をスペシャルステージラリー、後者をアベレージラリー(第1種・第2種)と定義しています。
スペシャルステージラリー
公道を閉鎖してタイムトライアルを行うスペシャルステージ(SS)と、SSをつなぐ移動区間のロードセクションで構成されています。原則として、SS走行タイムのトータルタイムが最も少ないクルーが勝者となります。
アベレージラリー
ドライバーとナビゲーターの2名(または3名)が乗車して、オーガナイザーが指定した区間を指定された時間および速度で走り、その正確性を競います。
国内ラリーにはBライセンスで出場できる
JAF公認ラリー競技は、国内Bライセンスを所持していれば出場することができます。
ただし、競技会によっては出場資格があり、全日本選手権の場合は、参加申込み締切り日までに運転免許取得後1年以上経過しているか、ラリーの地方選手権で2回以上の順位認定の実績を持つことが条件となっています。これはラリー競技が公道使用を前提としているため、交通環境にある程度熟練したクルーが出場するという基本理念に基づいています。
また、ラリーは山岳路を走る場合が多く、万が一の際には車体が大きく損傷するリスクが高いため、参加車両には一定以上の安全装備を施す必要があります。
ドライバーとナビゲーターが力を合わせて出場するのがラリーの大きな特徴でもあるため、ドライバーはナビゲーターを探す必要もあります。もちろんナビゲーターも国内Bライセンス以上を所持していないといけないため、所属するJAF登録クラブやラリー仲間、経験者の斡旋などが必要となってきます。
詳しくは「②国内ライセンスの取得方法について」のブログをご覧ください。
まずは入門ラリーから始めよう!
国内のアベレージラリーは、オーガナイザーの設定に対する正確性が問われるため、ナビゲーターには高い計算スキルが求められます。対するスペシャルステージラリーは、閉鎖した公道のタイムトライアルなので、天候や路面状況がどんな状態でも、速さのみが問われます。そのため、基本的には後者の方が、高いスキルと経験が必要となってきます。
自動車メーカーが支援する独自のラリーでは、速度が高まる「下り」勾配を使わずに登坂路だけで行われ、走行ステージ数も参加者の体力に合わせて少ない本数とするなど、スペシャルステージラリーをコンパクトに体験できるようになっています。スペシャルステージラリーへの出場を目標とする人は、こちらから始めることが現実的かも知れません。
他のカテゴリーと同様に、入門イベントから始めて参戦実績を重ねながら、出場するラリーのレベルを徐々に上げていく方法がベストです。最初から上・中級者向けのラリーに出場することも可能ですが、集中力を保った状態での長時間に渡る全開走行は、それ相当の体力と運転スキルが必要となります。自分に合ったステップアップを心掛けましょう。
参考資料:JAF MOTOR SPORTS JAF / ラリー
今回は自動車競技の「ラリー」についてご紹介しました。
JAFのホームページでは各競技会スケジュールの検索ができます。(JAF競技会スケジュール検索)
「開催地域」「競技種目」などで検索ができるので、ご自身の希望にあった競技会を探してみてはいかがでしょうか。